弁護士の小野智映子です。私が弁護士になって、受けた相談受任した事件のうちでやはり多いのは離婚に関するものです。離婚を申し出た方、一方的に申し出られた方、なかには、当事者夫婦の親御さんや親族の方さまざまです(ご夫婦当事者以外の方からの相談は、「あなたは、当事者ではないですよ」、ということを前提にお話しをさせていただいております)。皆様、一様に「まさか自分が法律事務所に来ることになるとは思わなかった、このような問題が自分に降りかかるとは思わなかった」と言われます。離婚しようと思って結婚する人などいませんし、ほかの法的トラブルとは、少し毛色が違っていて、人間の心の問題(しかも男女間の愛情というもっとも心のデリケートな部分が根幹にある)と、その真逆である法的に決まった「婚姻」という制度の狭間に起きる問題のなかで、解決を導くことは、当事者の方の精神的負担も重く大変な労力を要するものです。なかには、離婚問題を抱えたということで、どこか喪失感、社会から逸脱してしまったような劣等感のような気持ちをもってしまい、落ち込んでしまわれる方もおられます。この点、私は、離婚したからダメ、添い遂げたらOKなどということは全くないと思っています。肝心なのは、自分がその時点で、何が大切か、何を一番に守りたいかを考えて、冷静にかつ自分が納得して前向きにすすめる選択することだと思っています。離婚したことが、プラスになる人もマイナスになる人もいます。離婚して次に出会った人と一生添い遂げる人もいますし、離婚しても子供たちと協力して立派な家庭を作り上げる人、逆に結婚したままでダメになっていく人、離婚を繰り返して孤独になってしまう人、本当にそれぞれです。しかも正解は、過ぎてみなければ、わかりません。となると、離婚を申し出た、申し出られた場合にできるのは、その時の自分の心にとって一番前向きになれる選択をすることになります。その選択のお手伝いをするのが、弁護士の仕事です。法的な側面について、それぞれの方に応じて「あなたの場合はこうだよ、ああだよ」と提案でするのはもちろんのこと、一女性としてのアドバイス、弁護士としての職業柄いろんなご夫婦の方を見てきていますし、多くの人間模様を目の当たりにした経験があるので法律的な面以外の「心」の部分で「こういったことがあったよ、あんなこともあったよ」と助言できると思います。法律的な手続きをすすめつつ、話すことで苦しい思いを吐き出し、自分で問題を解決する力を取り戻し、自らの平穏な生活を勝ち取った方もおられます。離婚問題に直面した最初の最初、まず、お話しをさせて頂けたらと思います。