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来し方行く先~その3~

 私の経歴は、岡山白陵中、高卒業→東京大学法学部卒業→司法試験予備試験合格→司法試験合格→弁護士登録と文字だけにすると、数々の難関試験をこともなげに突破してきたという印象かもしれないが、大学に入るのには浪人をしたり、旧司法試験に何回も落ちていたり、それぞれの過程で時間がかかり本当に悩み苦しんでる。別記事でもふれたように私は特に要領が悪く、少ない知識で応用が利くとか、ひらめきがあるというタイプではなく、1から10まできちんと頭に入れておかないと試験において自分の力を半分も発揮できないタイプだった。それならそれで、きちんと1から10までじっくりと落ち着いて勉強をすればよいのだが、元来性格に横着な部分があったため、自分の特性に合うだけの勉強をすることができず、したがって成果も出せないということに陥りがちだった。長い長い受験生活の中で図らずもこのような自己分析をできたが(笑)

 今振り返って、私が、1から10まで本当に無我夢中で勉強して、客観的成果がきちんと出せたと思うのは、小学校6年の夏、中学校2年の秋、浪人時代の春である。そして、この時の頑張りが中学受験や大学受験の成功に結びくことになる。

 これらのときのことは今でも感覚として思い出される。とにかくほかのことには目もくれないでいて、吸い込まれるように文字を読み、書き、問題を解いたような気がするし、この感覚になり、これが数か月続くと、必ず目に見えて成果がでる。不思議なもので勉強した具体的な内容はすっかり忘れていても、その感覚は忘れていなくて、この時の物事に集中する感覚を仕事をするうえで呼び起こし再現しようとしている。何かに行き詰ってしまったときには特にである。学生時代に一生懸命勉強することの意味はこういうことにあるのかな、と思う今日この頃だ。

                                 弁護士 小野智映子

 

 

 

 

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